株式会社さびら 石垣綾音です。
ここ3年ほど、「会議(話し合い)のためのファシリテーション講座」を開催しているのですが、本当に良い会議はファシリテーションだけの力ではどうも足りないと感じています。
というのも、狭い意味で講座で伝えられる「ファシリテーション」というのは、基本的に会議のその場、その時間の中でできることだけに限られがち。しかし、何らかの意思決定や対話のためには、準備やその後の対応を含め、全体の流れをうまく進める必要があります。
そもそも、それは「会議」をするまでのものか?
資料の読み合わせだけの「会議」って意味ある?
前に話したことの繰り返しにならないためには?
そんなかゆいところまで手が届く資料が、まさかの行政から公開されました!
新潟県柏崎市役所が公開した「会議改善に関するガイドライン」です。
新潟県柏崎市役所が公開した「会議改善に関するガイドライン」よりhttps://www.city.kashiwazaki.lg.jp/soshikiichiran/sogokikakubu/jinjika/1/3/42125.html
このガイドラインの個人的すごいポイントを、3つご紹介します。
【すごいポイント①】「会議」に関するあらゆることを網羅した内容
このガイドラインは、「会議」を構成するあらゆるものについて、”今までの会議をほんの少しより良くするためのきっかけやヒント”を集めています。
その中には、「会議室」の使い方や資料の作り方、印刷の仕方まで。
新潟県柏崎市役所が公開した「会議改善に関するガイドライン」よりhttps://www.city.kashiwazaki.lg.jp/soshikiichiran/sogokikakubu/jinjika/1/3/42125.html
どんなときにどんな部屋を使うべきか、印刷資料の向きなど、「もうちょっとこうなら伝わりやすいけどな」と、きっと会議に参加したら気づくけれども、なかなか言語化できなかったり、忙しくて気が回りそうもない部分も詳細に指南してくれています。
いやーめっちゃありがたい。
行政職員だけでなく、行政案件の多いコンサルの新入社員も一読しておくべき内容ではないでしょうか。
【すごいポイント②】「参加者全員」がファシリテーターと明記!
通常のファシリテーション講座では、いわゆる「司会進行役」がファシリテーターであるという前提です。(参加者のみなさんも、「ファシリテーター役」になることを期待している場合が多い)。
私の講座では、「会議を構成している一人ひとりがファシリテーションの技術を使えば、会議はより良くなります」とお伝えし、それを「隠れファシリ」と呼んだりするのですが‥この資料は、最初から「参加者全員」がファシリテーターであり、「議論の成果をよりよいものにする」存在であるとしています。
新潟県柏崎市役所が公開した「会議改善に関するガイドライン」よりhttps://www.city.kashiwazaki.lg.jp/soshikiichiran/sogokikakubu/jinjika/1/3/42125.html
参加者全員がファシリテーターであるという意識をもった会議ほど、心強い会議はないはず…!
もちろん「司会進行役のポイント」で挙げられていることも、典型的なファシリテーターの役割です。さすが行政に特化したガイドラインなだけあって、「音声を録音して議事録を作成する会議は、発言者の名前を読み上げてから発言を求める」など、非常に細かい配慮まで示されており、大変勉強になります。
【すごいポイント③】「アジェンダ」の作り方と、その活用方法が美しい
「アジェンダ」とは、その会議の中で話し合われるべきことリスト、というのが簡単な説明です。
会議では、「最後にどのような状態になっているか…、つまり、「◎◎について次どうすべきかが決まっている」など、これについて話し合った、というアリバイだけでなく、結論や結果が成果として必要です。
「話しあった」アリバイづくりを避けるためには?
ズバリ、「〜について」という言葉を使うな!とこのガイドラインは伝えています。
新潟県柏崎市役所が公開した「会議改善に関するガイドライン」よりhttps://www.city.kashiwazaki.lg.jp/soshikiichiran/sogokikakubu/jinjika/1/3/42125.html
確かに、このように「報告」なのか「共有」なのか「決定」なのかが分かりやすくなっていると、参加者としてどのように情報を受け取り、考えれば良いのか、とてもわかりやすいですね。決まったことの「報告」なのに、なぜか議論や雑談になってしまう…というカオスな状況も避けることができそうです。
さらに、アジェンダと議事録が一緒になったフォーマットまで提案してくれています…!これを使えば、会議の終わりには議事録まで完成しているという美しい流れ。非常にありがたい!使いたい!
新潟県柏崎市役所が公開した「会議改善に関するガイドライン」よりhttps://www.city.kashiwazaki.lg.jp/soshikiichiran/sogokikakubu/jinjika/1/3/42125.html
「会議の質が業務の質を左右する。」業務の質を上げるため、柏崎市さんが作成したより良い会議のためのガイドライン。ぜひダウンロードしてみてください!
ファシリテーション講座との組み合わせは最強では?
この素晴らしいガイドライン。この資料の内容を頭に入れた上で、ファシリテーション講座を受けていただけると、最強のファシリテーターが育つのでは、と思います!
ファシリテーション講座が深める部分は、例えばこんなところです。
発言しやすい雰囲気づくり
時間配分とコントロールのコツ
議論の可視化(ホワイトボード、付せんの使いかた)
対話を深めるための「問い」
例えば、「ホワイトボードや付せんを活用して、誰もが意見を出しやすい環境を」というのは資料にきちんとありますが、実際にどのように使えばいいのか?などの知識もあると、さらに実践的ですよね。
さらに、講座の「実践編」では、実際に自分がよくやる会議を擬似的に運営して練習ができます!何より、受講生や講師からのフィードバックをもらうこともできます。参加者(ファシリテーター)としての内省のチャンスが増えるのも、実践編があるファシリテーター講座ならではです。
ファシリテーション講座、出前講座依頼受付中
株式会社さびらでは、企業・自治体・学校(団体)を対象にファシリテーション講座の依頼を受け付けております。社員研修や各自治体での市民向け講座など幅広く、対応しております。
実施内容等は下記の資料からご確認ください。ご予約やご質問は、弊社までお問合せくださいませ。
今年度も那覇市の市民向け講座としてファシリテーション講座を提供しています。
気になる方はこちらもチェック!※2024年度は受付終了しております。
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株式会社さびらでは、様々なテーマに合わせたワークショップの企画立案から運営まで行っております。お気軽にお問い合わせください。
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