みなさん、こんにちは。
株式会社さびらの安里です。
突然ですが、話し合いって難しいですよね。
話が脱線したり、時間通りに終わらなかったり、なんか話にくかったり、、
それは、大人だけではありません。高校教育の現場では、2022年度の高等学校学習指導要領にて探究学習が必修化され、生徒たちがグループをつくり、自ら設定した課題に取り組む活動を行っています。そのグループ活動の大半を占めるのが話し合いです。高校生も話し合いを行う機会が増えている一方で、話し合いの進め方などについては課題がたくさん出ているそうです。
そこで今回は、高校生が探究学習等のグループ活動を円滑に行うためのファシリテーション講座を沖縄県立那覇商業高等学校の2年生の皆さんに行いました。
みんなの良さを活かして話そう〜話し合いのためのファシリテーション講座〜
学校現場ではアクティブラーニングや探究学習の導入により、あらゆる場面で他者と対話し、協力しながら進めていく教育活動(グループワーク)が中心となってきています。今回の講座では、日常生活においての会話や話し合い(グループ活動)の場面で生かすことができるファシリテーションスキルを体験しながら学んでいく講座を開催しました。
日時:2024年2月22日(木)10:40-12:15
場所:那覇商業高等学校
対象年齢:2年生
人数:40名
講座内容:ファシリテーション講座
①話し合いの雰囲気づくり
・あいづちがある/ない会話の会話(実践)
・話す、聞く姿勢について(レクチャー)
・質問のコツ、話しやすい空気の作り方
②迷子にならない、話し合いの進め方
・4人1組で話し合いをしてみる(お題:みんなで食べるピザを考える)
・4つのステップ(共有・拡散・収束・合意)
③話し合いを記録すること
書いて確認する(会話の可視化)
企画運営:株式会社さびら
司会進行:安里 グラレコ(記録):狩俣 サポート:野添、稲福
監修:石垣(IAF認定プロフェッショナルファシリテーター (CPF)
コミュニケーションのコツは、聞き手にあり!?
ファシリテーションとは何か、という簡単な説明の後、「コミュニケーション力」というと、いかに上手く話すかということに気を取られがちですが、実は「聞く」力の方が重要!というところから、講座は始まりました。
まずは、聞き手の対応が話しやすさにどのような影響を与えるのかを実感するために、「あいずち」がある会話と、ない会話をお互いで実践。
生徒からは、「あいづちが多いのも話しづらいかったので、程よいリアクションが大事だと思った。」「聞き手の反応があることで、自分の話が伝わっているなと感じて安心した。」との声が。
話しやすさは、実は「聞かれている」という安心感から作られるのです。
それは、あいずちだけではありません。前半では、話す、聞く姿勢といった「話しやすい空気の作り方」に加え、質問のコツなどについてもお伝えしました。
実践から学ぶ、迷子にならないの話し合いの進め方
後半は、4人1組に別れて、「グループで食べるピザを決める」話し合いを実践。
生徒には、ピザのサイズやトッピングなどを決めてもらいます。身近な題材なだけに話しやすいのですが、実はその中にも色々と落とし穴があるのです。
例えば、ピザのサイズは本当に全員が満足できる大きさだったのか?たくさん選べるトッピングは、みんなが食べたいものをちゃんと選べていたか?アレルギーなどがある人にとっても、美味しく食べられるピザになっているか?などといったポイントです。
各チームどんなピザを注文したいか決まった後、話し合いを振り返りながら、迷子にならない話し合いの進め方について解説していきました。
解説の中で、「ピザのサイズ(S・M・L・XL)の実際の大きさなど、人によって基準が変わるものだとかはみんなで確認しておいた方がいい。」と気づいてくれた生徒さんも。
また、「ピザの種類を2つに絞り込んだ時、どちらか一つにするのではなく、ハーフ&ハーフにするという選択肢が出てこなかった。このように意見が分かれたとき、必ずどちらかに決めるのではなく、新たなアイデアを出すこともあるんだと気づいた。」というコメントもいただきました。
いろんなアイデアが生まれてくるのは、みんなの知恵を出し合うことの良いところですね!
話し合い進めながら記録をとる〜状況を把握しよう〜
講座の終盤ではグラフィックレコーディング(記録)を行っていた狩俣から、本日の講座のふりかえりを行いつつ、話し合いを見える化する方法、役割、注意点などを解説しました。
言葉をイラストで表すことや図にしてみるなど、話し合い以外の場面(授業の板書)でも活用できるスキルの紹介は、生徒たちも興味津々で聴いてくれました!
グラレコ(グラフィックレコーディング)とは、会議やプレゼンの内容を絵や図形などのグラフィックを用いてまとめる手法のことです。要点や結論が可視化されるので、文章のみの情報よりわかりやすく、印象に残りやすいと注目されています。
https://x.gd/ZF2Bi より引用
2コマという短い時間でしたが、今日の気付きをぜひこれからのグループ活動に役立ててください!
参考文献
問いのデザイン「参加者を本気にさせるワークショップの極意」
安斎勇樹・塩瀬隆之 著
ワークショップのファシリテーションとは「問い」と「対話」を戦略的にデザインすること。問題の本質をどう見抜くか。固定観念をいかに壊すか。どうすれば課題が自分事になるか。商品開発・組織変革・学校教育・地域活性等でファシリテーターに必要な思考とスキルを解説。メンバーを本気にさせ、チームの創造性を引き出す極意。
ファシリテーション入門 第2版 (日経文庫)
著者 堀公俊 (著)
すべての活動の基本となる「話し合い」(会議)に焦点を当て、組織のパワーを最大限に発揮させるファシリテーションの理論と実践スキルを紹介。最新の知見を盛り込み、全面的にアップデートした第2版。
プログラム担当:安里拓也 Takuya Asato
教育旅行チーム
ファシリテーター/コーディネーター
1998年生まれ 沖縄県那覇市出身
小禄高等学校ー沖縄国際大学 産業情報学部 産業情報学科 卒業
近世琉球から戦後史にかけて琉球史を学んでいる。学生時代からダークツーリズムをテーマに日本国内やアジアの戦跡を訪問、加害と被害の両側面から戦争について考える。大学1年生の時にベトナムを訪れたことをきっかけに、沖縄戦を様々な視点から考察するワークショップやガイド、講話等を仲間と開催。また、大学1年生から4年生までファシリテーションを学び、学生に普及する活動を行うサークルに所属。
ファシリテーション講座 実施例
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株式会社さびらでは、会議や学校現場といった様々な場面また、高校生から社会人まで幅広い年代に合わせたファシリテーション講座を対面またはオンラインにて実施しております。お気軽にお問い合わせください。
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