こんにちは!株式会社さびらの野添です。
株式会社さびらには、大学の沖縄ゼミ合宿の受け入れのご依頼が来ることもあります。
沖縄戦や在沖米軍基地問題を考えるフィールドワークや、ディスカッション、振り返りのプログラムなど、定番メニューも多いのですが、様々な専門知識を持つ先生や学生さんを前に、議論が白熱したり…修学旅行とはまた違うやりがいがあり、私達も楽しみながら案内させていただくことが多いです!
そんな弊社の大学ゼミの受け入れプログラムについて、過去にご依頼をいただいた、明星大学の熊本博之教授に、さびらのプログラムを実施した感想をインタビュー形式で聞いてきました👏
熊本 博之 教授
明星大学人文学部教授。専門は社会学で、辺野古集落でのフィールドワークを20年以上続けている。著書に『交差する辺野古-問いなおされる自治』(勁草書房)、『辺野古入門』(ちくま新書)
専門分野:地域社会学、環境社会学、地方自治、沖縄学
ゼミテーマ:地域社会の現状と課題ー高幡台団地を事例にー
主な所属学会:地域社会学会、環境社会学会、日本平和学会
研究実績
学生はもちろん、教員にとっても学びが多い
野添:さびらに、ゼミ合宿のプログラムを依頼することになった経緯を教えてください。
熊本教授:以前は、自分自身でゼミ生に向けてガイドを行っていました。しかし、沖縄戦といった専門外の分野になると、知識としては知っていても、学生にしっかりと実態や問題について伝えることが出来ているのか、という課題がありました。
野添:「伝え方」の部分に課題を感じていたんですね。その上で、さびらのプログラムを実施してみて受けた印象を教えてください。 熊本教授:そんな中で出会ったさびらさんのプログラムは、沖縄戦から在沖米軍基地問題まで、戦前から今にかけて時代ごとの丁寧な解説と、多角的な視点で問題について考えることができる問いを投げかけてくれるなど、学生はもちろん私たち教員にとっても学びが多いプログラムでした。
よりわかりやすく理解してもらえるように図などが入った資料を用いながら説明してくださるなど、トータルの満足度も高く、これからも続けてお願いしたいと思っています。
目の前の風景から問題の背景を知ることができるガイド
野添:さびらのプログラムを受けてみて感じた、おすすめポイントを教えてください。
熊本教授:さびらさんのガイドって、いわゆる”定型的なガイド”ではなく、その場で生まれた参加者同士の会話や質問から、説明につなげるといった柔軟な対応に、毎度関心しています。またそれは日々勉強して、知識をインプットし続けていることはもちろんなんですが、沖縄で生まれて暮らしているさびらのスタッフの皆さんの体験をもとに語ってくれているところに、非常に大きな価値があると思っているんですよ。
野添:なるほど!地元民の話に価値があるというのは、興味深いです。このことについて、詳しく教えていただいてもいいですか?
熊本教授:例えば、移動中の車窓から見える景色をもとに会話を広げて、問いを投げかけてくれたり。説明がなければ何でもない街の景色ですが、街のたどった歴史と目の前に見えている風景をつなげてお話ししてくれることで、沖縄を取り巻く問題の背景を知ることができて、理解がしやすい。学生からの質問に対しても、ただ答えるのではなく、時には逆に質問を投げ返して、その場にいる全員で考えて意見を共有する時間につなげてくれるなど、一方的ではなく双方向的な学びを得ることができるのが魅力です。
野添:私たちが案内する場所は、戦跡や資料館と違って説明板などが無い場所がほとんどです。でも、そういった日常の街並みの中に、沖縄を取り巻く問題を考えるきっかけがあちらこちらに散らばっていると考えています。
熊本教授:一見、そういった話ってすごく取っ付きにくいんだけど、学生と年齢の近いさびらの皆さんが引率して話してくださることで、学生の心に響くことがあると思いますよ。
〜明星大学 熊本ゼミ 沖縄ゼミ合宿2023年度 行程表〜
昨年度実施した熊本ゼミ沖縄合宿では、沖縄戦の概要を学んだ上で、嘉手納基地、普天間基地、那覇軍港移設予定地を2日間かけてフィールドワークを行い、今に続く在沖米軍基地問題を構造的に学びました👀
初日:「嘉手納基地周辺のフィールドワーク」
1.道の駅かでな
学べるテーマ:「嘉手納基地とは」「太平洋の要石(動かない基地)」「嘉手納基地関連の事件・事故」「騒音問題」「日米安保」
2.嘉手納基地ゲート2&沖縄市戦後文化資料展示館 ヒストリート
学べるテーマ:「沖縄の戦後史」「基地の街の成り立ち」「本土復帰までの過程」
3.北谷町アメリカンビレッジ
学べるテーマ:「北谷町の沖縄戦」「米軍基地の成り立ち」「基地の跡地利用」「基地依存経済とザル経済」「基地返還前後ぞれぞれの経済効果」「日米地位協定」「環境汚染の問題」
4.北谷町砂辺
学べるテーマ:「騒音被害」「この街に住む人たち」「日米地位協定」「誰のための街?」
5.基地問題ワークショップ
学べるテーマ:「基地問題の論点整理」
2日目:普天間基地周辺フィールドワーク、那覇軍港移設先の見学
6.佐喜眞美術館
学べるテーマ:「沖縄戦の悲惨さ」「土地収用」「佐喜眞美術館の成り立ち」
7.嘉数高台公園
学べるテーマ:「戦前〜今の沖縄」「嘉数地域の沖縄戦」「沖縄戦時の軍隊と嘉数住民の関係性」「普天間基地について」「SACO合意(動く基地)」
8.上大謝名さくら公園
学べるテーマ:「フェンス沿いの生活」「クリアゾーン」「騒音問題」
9.沖縄国際大学
学べるテーマ:「米軍ヘリ墜落事故」「日米地位協定」
10.浦添軍港
学べるテーマ:「辺野古移設との対比」「反対する市民」「世代間の諦めを生むものとは」
以上、株式会社さびらの大学ゼミ受け入れプログラムのご紹介でした!
今年も有難いことに、いくつか大学ゼミ合宿の受け入れのお問い合わせをいただいております🙇
株式会社さびらでは、お客様のご要望をもとに、それぞれに合わせたフィールドワークやディスカッションなどをオーダーメイド型のプログラムを行なっております。授業内容や、研究テーマ、学生に考えてほしいことなど、キーワードはあればあるだけ、実りある合宿をコーディネートさせていただきます🙌
授業の一環、または長期休み等を利用した沖縄ゼミ合宿をご検討の皆さま。
少しでも気になった際は、ご質問からでも結構ですので、お気軽に下記フォームよりご連絡くださいませ!
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